
International Christian university
学芸員課程
このページでは博物館実習に関する情報と実際に博物館実習を終えて体験したこと、感じたことなどお伝えします。
博物館実習について
・ARC303 「博物館実習」は、実習前要件科目の単位を満たし、博物館実習参加登録を行ったものが3年次冬学期以降の学期にりしゅうすることができる。
・実習は通常秋休みに行われ、この科目の履修登録及び成績の付与は実習後の冬学期となる。実習希望者が多い場合、翌年の夏休み中に実習が行われる場合もある。その場合は、実習後の秋学期に履修の登録及び成績の付与がなされる。
・博物館実習の履修登録は担当教員が行うため、学生がこの科目の履修登録を行う必要はない。履修単位制限の18単位にも含まれない。
・実習受け入れ施設である湯浅記念博物館は、貴重な時間を割いて博物館実習に協力しているため、個人的な理由で実習を取り消すことは許されない。そのため、健康管理、大学院への進学、就職活動などとの兼ね合いに十分注意する必要がある。
・博物館実習の授業には、必ず毎日出席し投げればならない。博物館実習の日誌など、十種に関する書類は授業初日に配布する。その他にも課題提出が求められることがある。
・実習参加にあたって、自分が健康であることを示すために、3年次及び4年次の春学期に行われる大学の健康診断を必ず受けておくべき。
・留学などやむを得ない理由により、博物館実習を4年次最終学期に履修する際、卒業に必要な単位や要件に含めないように履修計画を立てることを強くお勧めする。
博物館実習を終えて ー実習生よりー
ICUの学芸員課程では、必修科目を履修した後に大学内の湯浅八郎記念館で博物館実習を行います。実施期間は秋休み又は夏休みの1週間弱です。参加人数は12名程度で、4人ずつのグループに割り振られます。
実習で行うことは、1)終了した展覧会の片づけ、2)展示ケースの掃除、3)次の展覧会の準備です。
終了した展覧会の片づけでは、資料を展示ケースから下し、状態の確認を行い保管庫に戻します。このときが始めて本物の資料に触れることになると思います。ほとんどの人が資料を扱う際に「緊張した」「手が震えた」と感想を述べていました。
展示ケースの掃除では、グループに分かれて大きなビルト・イン・ケースの掃除を行います。足場が不安定で非常に難しい作業ですが、曇ったケースに入れては展示資料の見栄えが悪くなってしまうため、念入りに掃除を行います。大きな展示ケースを一人で掃除することは大変であるため、グループの人と協力します。
実習のメインになるのは次期展覧会の準備です。まず、担当の学芸員さんから展覧会の概要と展示資料について説明を受けます。その後、グループごとに展示を担当する箇所が割り振られ、資料の配置を決めます。展示する資料の種類や数、そして展示ケースの背景の色などをグループのメンバーと話し合いながら配置を決めます。
配置が決定したら実際に資料を出して展示していきます。資料を扱うため、細心の注意を払いながら配置の調整を行います。この時、資料をただなんとなく配置するのではなく、資料を置く高さが来館者の視線と合っているか、この順に資料を配置して他の展示ケースとのバランスは悪くないか、など様々なことを考えて配置しなくてはなりません。工夫と妥協しないことが大切です。
今までの授業では自分ひとりで展覧会の内容を考える機会が多いと思いますが、博物館実習では他社との協力が必要不可欠です。
同じ場所で一度の多くの人間が違う作業を行っている中で貴重な資料を移動させるため、他社への気配りが必要です。また、展示一つを作る際も自分ひとりで行うわけではないため、他者の意見を聞いたり、自分の意見をきちんと相手に伝えたりすることが必要です。
私が博物館実習を終えて感じたことは、学芸員とは資料や展示に関する知識だけではなく、他者との協調性や体力が必要であるということです。展示をする際に、その資料に関する知識や効果的な展示方法を知っていることは、良いことだとは思いますが、それ以上に一緒に作業を行う人と協力しようという姿勢が大切だと思います。実習を終えて、人として成長することもできたと感じています。
実習で行う内容は展覧会の内容によって異なります。今回は額に入れるものから陶器、そして布製品も扱いました。多くの資料に触れることができ、貴重な機会になったと思います。